3分でわかる「アパレル」と「ファッション」の違いとは?

アパレルとファッションの違いのポイントを示す女性

ファッションに関する話題でよく耳にする「アパレル」や「ファッション」という用語ですが、これらのワードの持つ違いを説明することはできますか。
どちらも服に関係する言葉で、一見すると同じ意味にも思える用語ですが、実はこれらの二つには明確な違いがあり、それを知らないまま使っている人が大半です。
そこで今回は、「アパレル」と「ファッション」の両者が持つ語源や、語源から見えてくる意味合いについて解説し、それぞれの言葉の違いについてわかりやすく解説しましょう。
服飾にかかわる勉強をしている人や仕事についている人にこそ知っておいて欲しい知識をご紹介します。

アパレルとファッションの語源の違い

考えている女性
「アパレル」と「ファッション」の決定的な違いは、語源にあります。
それぞれのワードを理解するための足掛かりとして、まずは語源の違いから説明します。

アパレルという言葉の由来

アパレルという言葉の由来は、フランス語の「appreiller(適合させる)」にあり、服を着せるとか着飾るという意味を持ちます。
その後、アメリカで大量生産される衣料のことを「apparel」と称するようになったことから、現代では、布から作った既製服のことを指すようになりました。
ですから、ネックレスやピアスなどのアクセサリーや腕時計などの小物はアパレルに含まれず、あくまでも、トップスやボトムス、ワンピースなど布を使った衣服のことを表します。

アパレルという言葉の由来

ファッションは、英語で流行を表す「fashion」に由来します。
ファッションは、衣料だけを指すアパレルとは違い、ヘアスタイルやメイク、小物なども含めた身につけるものの全体に当てはまり、それぞれのアイテムの組み合わせによってつくられる雰囲気をファッションセンスといいます。
つまりファッションいう言葉は、身にまとうものにかかわる、スタイル全体を指すものとして使われます。

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アパレル産業について

世界産業分類基準(GICS)では一般消費財・ サービスセクターによって「耐久消費財・アパレル」という産業グループの分類が設けられており、衣服の製造業及び流通業のことをアパレル産業といいます。
衣服の企画・製造・卸売を行う企業がアパレルメーカーと呼ばれています。

アパレル産業の構造

アパレル産業は本来、アパレルメーカーが繊維業から素材を仕入れて既製服を製造し、流通業に製品を提供後、小売業が消費者に販売するという流れです。
しかし現在では、アパレルメーカーだけでなく小売業者、商社、製造事業者も既製服ビジネスに参入しており、ビジネスモデルが多様化している状況となっています。

アパレル業界の職種に関する専門用語一覧

  • MD(マーチャンダイジング・マーチャンダイザー)
  • VMD(ビジュアルマーチャンダイジング・ビジュアルマーチャンダイザー)
  • バイヤー
  • DB(ディストリビューター)
  • デザイナー
  • パタンナー
  • プレス
  • ピッキング

※ここで紹介している職種の一部です。

アパレルとファッションの意味の違い

「アパレル」と「ファッション」について、2つの言葉の由来には大きな違いがあることが分かったと思います。
では次では、それぞれのワードの持つ意味について掘り下げていきましょう。
意味を知ることで、アパレルとファッションが本来どのようなものなのかということについて、理解を深めることができます。

アパレルという言葉の意味

アパレルという言葉が既製服を表すことから、商業的な要素が強く、たくさんの人たちに売れるものを意識して作られ、トレンドに合わせて消費されるものとされています。
このように、アパレルとは、実益を兼ねたビジネス的な要素が強い言葉だといえるでしょう。
アパレルに「生産」という意味合いが強いことから転じ、アパレル業界といえば、衣服を生産する会社の集まりを指し、アパレル企業は営利目的で衣料を生産する組織のことを表すようになりました。
また、アパレルという言葉が衣料品産業全般を指すものとして使われることもあります。

ファッションとは

ファッションの言葉の由来は英語であり「服飾流行」と訳されることが多い、アパレルとは違いヘアスタイルやメイク、小物など身につけるもの全体のことを指し、「ライフスタイル」の一種と捉えることもできます。
アイテムの組み合わせ方や、好み・テイストなど個々が表す雰囲気をファッションセンスと呼びます。

「ファッション」とは、創造的な意味が強く、コーディネートでファッションセンスを表現することや、新たなスタイルを生み出す言葉として使われています。

ファッションという言葉の意味

ファッションというワードは、英語で流行を表すものであることから、「全体の雰囲気やトレンドを表現するもの」という意味で使われます。
トップスやボトムスなど特定のアイテムを指すものではなく、衣服や小物の組み合わせで生み出される雰囲気そのものがファッションなのです。

ファッションとアパレルは、同じような意味合いでとらえられることが多いですが、ファッションセンスとはいっても、アパレルセンスということはありません。
これはファッションが、衣服や小物を含めた身につけるアイテム同士のコーディネートでつくられるイメージを意味するからであり、衣服だけではコーディネートを完成させることができないからです。
つまりファッションとは、コーディネートでニュアンスを表現することや、皆が真似したくなるようなスタイルを生み出すことに対して使われ、クリエイティブな意味合いを持ちます。


アパレルとファッションの違いをさらに理解するには

ファッションを楽しむ女性とアパレル店員
「アパレル」と「ファッション」の違いは、それぞれの言葉のルーツや意味合いからわかるように、ビジネス的であるか、クリエイティビティであるかというところにあります。

アパレルでは、先進的、独創的なデザインであるかという前に、ビジネスとして利益を生み出すことができるかということの方が大切。
売れる既製服を作ることを最大の目的とし、原価率や生産のしやすさなど、いかに会社の利益を上げることができるかどうかが重点です。

一方ファッションでは、衣服や小物をコーディネートした全体のイメージを大事にし、その上で新たなアイテムやトレンドを生み出します。
また、ファッションは、コーディネートにクリエイティブにかかわる、アパレルのように利益をもとめて何かを創り出すということをしません。

「アパレル」と「ファッション」の違いを理解するためには、服装に関してビジネス的にかかわっているか、あるいはクリエイティブにかかわっているかいうところに焦点を当てるといいでしょう。

まとめ

アパレルとファッションという2つの言葉の違いを詳しく見ることで、それぞれのワードが似て非なるものだということがお分かりいただけたでしょう。
商いや営業などのビジネス要素が強い「アパレル」と、表現したいイメージからトレンドを生み出すクリエイティブさのある「ファッション」には、どちらもそれぞれに持つルーツや意味に差があります。
これから、アパレルやファッションなどの用語を使う時には、2つの違いを意識して使い分けるといいですよ。

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エスモードは、東京恵比寿にあるファッションの学校です。 フランス・パリで世界初のファッション専門教育機関として1841年に開校。 現在は世界13か国に19校あり、その日本校であるエスモードジャポンの広報を担当しています。 世界のネットワークを生かした情報発信とファッション業界について解説していきます。

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