エルメスのコンセプトを作った歴史とは
多くの人々、特に女性から大きな支持を得ているHermes(エルメス)ですが、それだけの人気を誇るコンセプトとはどのように形成されてきたのでしょうか。
今回はそんなエルメスの概要、歴史についてご紹介していきます。
目次
エルメスとは
エルメスとは、フランスの株式合資会社 エルメス・アンテルナショナル社 (Hermès International, S.A.)のファッションブランドとその商標を指します。
事業内容は高級アクセサリーや衣料品のデザインと製造、販売です。
本店はパリ8区フォーブル=サントノレ通りに置かれています。
エルメスのコンセプト
創業当時、エルメス社はパリのマドレーヌ寺院界隈で馬具工房として始められました。
その後、自動車の発展による馬車の衰退を予見し、鞄や財布などの皮革製品に事業の軸足を移しています。
この予見と軸の転換がなければ今のヘルメスはなかったかもしれません。
そんなエルメスのコンセプトは「職人技の伝承」、「移動・旅行のよろこび」とされています。
また、エルメスのロゴにはその名残で馬具工房に由来するデュックとタイガーが描かれています。
デュックというのは四輪馬車で、タイガーは従者のこと。
主人(馬車に乗る人)は描かれていないのかなと思った方もいるのではないでしょうか。
そこにはエルメスの信念が描かれており、この主人が描かれていないロゴの意味は「エルメスは最高の品質の馬車を用意しますが、それを御すのはお客様ご自身です」ということなのです。
日本におけるエルメス
セレクトショップ等を除いて考えると、エルメスが日本に本格上陸し、直営店を置いたのは1978年に東京・丸の内に開店したブティックとされています。
また、エルメスの日本法人であるエルメスジャポン株式会社は、1983年にエルメス・アンテルナショナルと西武百貨店との合弁で設立されていますが、後にエルメス・アンテルナショナルの完全子会社となっています。
現在エルメスは、大手百貨店の主要店には比較的多く出店しており、日本におけるエルメスの売上は、アメリカ合衆国、フランスに次ぐ世界第3位で、世界全体の売上の13%を占めるほど国内での人気を誇っています。
2001年6月28日には、日本での旗艦店「メゾンエルメス」(en:Maison Hermès) を東京・銀座の晴海通り沿いにオープンし、エルメスジャポンの本社が入居しています。
広告をはじめとする、メディア関連事業はパブリシス・電通と行っており、純広告のビジュアルには「Publicis EtNous」と記載があります。
エルメスの歴史
エルメスの歴史は創業者のティエリ・エルメスが1837年高級馬具の製造工房「ティエリ・エルメス」をフランス・パリで開業したのがはじまりです。
先述の通り、交通機関は自動車の登場で転換期を迎え、エルメスは馬車の衰退を予見、バッグや財布など皮革製品の製造に事業を方向転換し成功。
世界中から支持されるブランドとして地位を確立しています。
アートと関わりの深いエルメス
エルメスは、アートシーンでも度々登場しています。
銀座店である銀座メゾンエルメスを見ると、エルメスとアートの関わりの深さが伺い知れます。
ウィンドウディスプレイは1つの作品として装飾され、同じビルの中にアート・ギャラリー「フォーラム」やミニシアターも併設されています。
若手アーティストとのコラボレーションも活発で、フォーラムでは度々若手アーティストによる展示が行われています。
その内容は、若手アーティストたちが、エルメスの工房で職人とともに制作した作品を展示するというものです。
若いアーティストたちが、エルメスの知識や技術に触れられる機会でもあるのです。
また、エルメスからはアートワークも発表されています。
代表的なアートワークを、いくつかご紹介しましょう。
- THE ALFEEとのコラボレーション
- 日本のロックバンドTHE ALFEE のアルバムのジャケットデザインを、エルメス社が担当しました。
後に、そのデザインのスカーフが関係者やファンクラブ入会者などを対象にごく少数が限定発売されています。
- H BOX
- 2007年には、『H BOX』と名付けた移動式の上映室を企画・制作しています。
旅行鞄のようなアルミニウム合金製の外装が特徴的で、複数のアーティストによるビデオ作品が上映されました。 - ヒュンダイとのコラボレーション
- ヒュンダイ自動車とのコラボレーションにより、コンセプトカー「エクウス by エルメス」も出品されました。
ヒュンダイの最高級車であるエクウスをベースに贅を尽くしたプロジェクトで、使用され素材や色はすべてエルメスの手によって入念に吟味されました。
エルメスの主なラインナップ
エルメスといえば、バーキン、ケリーバッグといった商品が最初に連想されるほど、これら2つは大きな存在感を放っています。
これらのラインナップについて少し見ていきましょう。
ケリーバッグ
ケリーバッグはHAUT A COURROIES(オータクロア)が元になって誕生したアイテムで、女優からモナコ王妃となったグレース・ケリーが愛用し、妊娠中のお腹をパパラッチに撮られないように、このバッグで隠したといいます。
モナコ王妃であるグレース・ケリーが愛用している事を知った当時のエルメス社長が、それにちなんで「ケリー」という名がこの商品に付けられました。
さりげない上品さと、外縫い・内縫いなど細部までこだわる違いが職人の技巧を感じさせる憧れの一品です。
バーキン
エルメス髄一の知名度、人気、値段を誇る憧れのハンドバッグの1つがこのバーキンです。
1984年当時、フランス人女優のジェーン・バーキンのために作り、その名が付けられました。
開口部が広く、頑強で、たくさんの荷物を入れられる機能性を持ちながらも、クラシカル感漂うデザインが非常に人気で、世界中のセレブ達の御用達アイテムとなっています。
コンセプトをファッションに生かしたいなら
エルメスのようにコンセプトをファッションに生かしたい場合は、そのコンセプトで誰をターゲットにするかを考えましょう。
エルメスは高等技術と良い素材で作られたアイテムの販売によって富裕層はもちろん、一般の層の憧れとなる立ち位置を築きあげました。
コンセプトを重んじる際は、独り善がりにならない構想が大切です。
ファッションのコンセプトからしっかり学びたいなら、ファッションの専門の学校、エスモードジャポンで学ぶのがおすすめです。
基礎知識から応用まで学ぶことができるので、卒業後も即戦力として活躍することが可能です。
まとめ
今回は高級ブランドを扱うエルメスについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
日本に浸透し、身近に存在するエルメスですが知らなかったことも多かったという方が大半だとも思いますが、この記事を読んで、エルメスの商品を見返したときに色々なことに気づいていただければ幸いです。
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