トレンドの素材はどう決まる?2022SSの注目アイテムも紹介

洋服のカラーや素材、シルエットなど、時代の情勢や背景にあわせて移り変わるファッショントレンド。
その年の流行は、どのタイミングで決まるのでしょうか?

前回はトレンドカラーについて紹介しましたが、今回はトレンドの素材について、流行する素材の決まり方や2022年の春夏に流行する素材をご紹介します。

トレンドの素材は1年前に決まる

その年に流行する素材は、実シーズンの約1年前に決められています。

新作の洋服が市場に出回るまでには、カラーや素材の選定が必要です。
そのため、ファッションのトレンドの決定には、約2年の期間が設けられています。

ファッションのトレンドの決定は、カラー、糸・素材、デザインの順番で行われるため、トレンド素材の選定が行われるのは、トレンドカラーの選定後です。

世界基準のトレンドが決められる流れを簡単にご紹介します。

トレンド選定の流れ:トレンドカラーの選定

まずは、実シーズンの2年前にトレンドカラーの選定が行われます。

トレンドカラーを決定するのは、インターカラーと呼ばれる国際機関です。
インターカラーは、1年に2回、2年後に流行すると予想されるトレンドカラーを選定する会議を開きます。

会議に参加するのは、インターカラーに加盟している17ヶ国です。
各国の色のスペシャリスト達が、その年の社会背景などを踏まえたうえで、予想される流行色を提案して話し合い、20〜30色のトレンドカラーを選定します。

トレンドカラーについて気になる方は、以下の記事をご参照ください。
>>「

トレンドカラーとは?今年の流行色は2年前から決まっている!

トレンド選定の流れ:トレンドブックによるトレンドの発信

トレンドカラーが決まると、次に、パリを中心とするファッショントレンド情報会社が「トレンドブック」を販売します。

トレンドブックとは、デザイナーやバイヤーが洋服をデザイン・販売する際に参考にする、ファッション業界のプロ用ファッション誌のようなものです。
社会背景の分析や予測から打ち出した、約2年後のトレンド予測情報を、ファッションやインテリアなど全15種類のカテゴリーごとに発信します。

トレンド情報とともに、様々なカラーや質感の生地が貼り付けてあり、素材の触感なども確認することができます。

トレンド選定の流れ:ヤーン展・テキスタイル展の開催

トレンドカラーやトレンドブックから得た情報を元に、トレンド素材の方向性を決める、ヤーン展とテキスタイル展が開催されます。
ヤーン展は糸の展示会、テキスタイル展は生地の展示会です。

ヤーン展とテキスタイル展の開催は、実シーズンの1年半〜1年前。

展示会に集まったファッション関係者たちが、実際に素材を見たり触れたりして、次シーズンの洋服製作に使う糸や生地の選定を行います。

トレンド選定の流れ:デザイナーによるコレクションの開催

トレンドのカラーや素材を元に、デザイナーが新しい洋服をデザインします。
デザインした新作は、ファッションウィークに行われる、パリ・コレクションやミラノ・コレクションなどを通して発表されます。

コレクションが行われるのは、実シーズンの約半年前です。

コレクションでお披露目したデザインは、次シーズンのトレンドとして、ファッション誌などのメディアが発信します。

世界と日本のヤーン展

世界と日本のヤーン展
糸の展示会である、ヤーン展。
世界的に有名なヤーン展と日本のヤーン展をご紹介します。

PITTI FILATI

PITTI FILATI(ピッティ・フィラーティ)は、糸やニットの国際展示会です。
正式名は「Pitti Immagine Filati」で、イタリアのフィレンツェで毎年2回開催されています。

トップメーカー達が作る、ハイクォリティなイタリア製の糸が多く並び、世界中から一流ブランドの関係者やバイヤーが詰め寄ります。

JAPAN YARN FAIR & 総合展「THE 尾州」

愛知県尾張西部から岐阜県西濃にかけて広がるエリアを「尾州」と呼び、尾州では「THE 尾州」を開催しています。

THE 尾州とは、毎年2月に開催されている、国内で唯一の全国規模の糸の展示会です。
尾州・ヤーン・フェアとも呼ばれます。

世界の生地見本市

生地の展示会であるテキスタイル展。
世界的に有名と言われる、3つの生地見本市をご紹介します。

プルミエール・ヴィジョン

プルミエール・ヴィジョンは、フランスのパリで毎年2回開催される、世界最高峰の国際的な生地見本市です。
ファッションのトレンドに最も影響を与える見本市として、世界中の有名バイヤーが集います。

1973年に設立して以来、着実に規模を広げていき、今では50ヶ国から1700社以上が出展するほどの大型国際見本市となりました。

ミラノ・ウニカ

ミラノ・ウニカは、イタリアのミラノで毎年2回開催され、世界でも注目されている国際的な生地見本市です。
イタリアの各地で行われていた展示会を、2005年に1つに集約して誕生しました。

今では、世界中から、多くのファッション関係者や有名バイヤー達が足を運びます。

インターテキスタイル上海アパレルファブリックス

インターテキスタイル上海アパレルファブリックスは、中国の上海で毎年2回開催される国際的な生地見本市です。

会場は、1日では周りきれないほど広く、世界最大規模のアパレルファッションテキスタイルとアクセサリーの見本市だと言われています。

アジア圏の大型見本市とあって、日本からも多くの企業が出展しています。

2022SSの注目アイテム3選

2022SSの注目アイテム3選
2022年SS(春夏)のトレンドとして注目されている、3つの素材やアイテムを紹介します。

シアー

透け感のあるシアー素材は、2021年に引き続き今年もトレンド入り。
シアーシャツやシアージャケットを持っていれば、カーディガンとして羽織ったり、シャツとして1枚で着たりと、今年らしさ満点の幅広い着こなしが楽しめます。

サテン

光沢があり、エレガントでリラクシーな雰囲気を演出するサテン生地も、今シーズンのトレンドの1つ。
ドレスやスカートはもちろん、ブラウスやパンツアイテムとして取り入れても、上品で女性らしいコーデとしてまとめてくれます。

デニム

今シーズンは、定番のデニム生地もトレンド。
パンツだけでなく、ジャケット、スカート、小物、去年からじわじわと人気がでてきているワンピースなど、色々なアイテムとしてコーディネートに取り入れやすいでしょう。
トレンド感度の高いブラウスなどのトップスも、注目アイテムです。

まとめ

今回は、トレンドの素材についてまとめました。
トレンドカラーが前もって選定されている様に、流行する素材も、実シーズンの約1年前から決められていることが分かりましたね。

ヤーン展やテキスタイル展は、ファッション関係者以外でも参加できるところもあるので、気になる方は足を運んでみると良い刺激になると思います。

この記事を執筆したエスモードなら就職率は約90%以上!

エスモードでは毎年卒業生全員が、デザイナー・パタンナーなどの専門職で就職しています。

デザイナー、パタンナーを育成する総合学科では、各学生を理想のキャリアに導くカリキュラムが組まれています。このカリキュラムの実践を通して、流れの激しいファッション産業界で即戦力として通用する人材を育成することで、他の追随を許さない圧倒的な就職実績を誇っています。ご興味がある方はぜひ下記リンクをご確認くださいませ。

エスモードジャポン 広報部
ESMOD InstagramESMOD twitter https://esmodjapon.co.jp

エスモードは、東京恵比寿にあるファッションの学校です。 フランス・パリで世界初のファッション専門教育機関として1841年に開校。 現在は世界13か国に19校あり、その日本校であるエスモードジャポンの広報を担当しています。 世界のネットワークを生かした情報発信とファッション業界について解説していきます。

エスモードジャポン 広報部
ESMOD InstagramESMOD twitter https://esmodjapon.co.jp

エスモードは、東京恵比寿にあるファッションの学校です。 フランス・パリで世界初のファッション専門教育機関として1841年に開校。 現在は世界13か国に19校あり、その日本校であるエスモードジャポンの広報を担当しています。 世界のネットワークを生かした情報発信とファッション業界について解説していきます。