パリコレの歴史と変化。2021-22秋冬のトレンド

パリコレは100年以上の歴史を持つ、伝統的なファッションショーです。
今回はパリコレの歴史と近年の変化を解説する他、服飾ファッション専門教育機関・エスモードジャポンのファッションデザイン講師が、2021-22秋冬のトレンドについてご紹介します。

パリコレとは

一般的にパリコレと言うと、パリ・プレタポルテ・コレクションのことを指します。
プレタポルテ(高級既製服)の新作発表会であるパリコレは、世界で最も規模が大きいコレクションです。

その年のファッションのトレンドを決めるファッションショーで、世界中からジャーナリストやアパレル関係者、著名人らが招待されます。

プレタポルテ・コレクションの他、パリ・オートクチュール・コレクション、メンズコレクションもあり、いずれも春夏コレクション、秋冬コレクションとシーズンごとに開催されています。

パリコレの歴史

19世紀末から20世紀初頭にかけて、パリでは「モデルがランウェイを歩く」「年に2度行う」という現在のパリコレと同じスタイルのファッションショーが誕生しました。

当初、ファッションといえばオートクチュール(オーダーメイドの一点物)で、ココ・シャネルやクリスチャン・ディオール、ユベール・ド・ジバンシイ、ヴァレンティノ・ガラヴァーニらの活躍で、パリはファッションの都として栄えていきます。

1950年代には、オートクチュールに変わってプレタポルテが一般化していき、多くの一般市民もファッションを楽しめるようになりました。

正式にパリコレが始まったのは、1973年のこと。
当初から現在と同じく、オートクチュールとプレタポルテに分かれて開催されていたそうです。

参考URL:
なぜパリコレに憧れるの?パリとファッションの歴史をじっくり解説|QuizKnock
100年の歴史からパリコレの最新事情までを理解しよう|lifehacker

パリコレの変化

パリコレの変化

社会や価値観が変わるにつれて、パリコレは伝統を受け継ぎながらも変化を続けています。
ここ数年において、パリコレは次にように変化しています。

モデルの美の基準が変化している

これまでモデルに求められていたような国籍や体型に関する固定観念が無くなり、モデルの個性を重視されるようになっています。

近年では、美佳氏やマリーエル・ウチダ氏、樋口可弥子氏といった日系のモデルが活躍していますが、「日系だから」という人種の理由ではなく、個性の光るモデルだからという理由で起用されています。

参考URL:
パリコレで日系モデルが大躍進 “美の基準”の変容によりモデルの重要条件にも変化が|TOKION

パリコレのデジタル化

本来、パリコレはジャーナリストやファッション関係者、著名人といった限られた人しか見ることができない招待制ですが、SNSにランウェイやバックステージ、アフターパーティーの様子などをアップしているファッションデザイナーも増え、ショーを楽しめるようになっています。

山本耀司氏も、インスタグラムでコレクションを発信するファッションデザイナーの1人です。

また2021年春夏シーズンと2021-22秋冬シーズンは、新型コロナウイルスの感染拡大により、オンラインで開催されています。

各ブランドの創意工夫により、画面越しでは伝えきれないと思われたファッションの魅力や情熱を、見事に表現することが可能となりました。

2021-22秋冬パリファッションウィークのトレンド

パリコレのトレンド

最後に、エスモードジャポンのファッションデザイン講師であるエロディ氏とロマン氏による、2021-22秋冬パリファッションウィークのトレンド解説の一部をお届けします。

エロディ氏とロマン氏へのインタビューはこちら。

講師インタビュー スティリズム編

パリコレ2021-22秋冬では、94ブランドがコレクションを発表しました。

レディースウェアのトレンド

前シーズンの「外に出よう」というメッセージに引き続き、今シーズンのトレンドには「紅葉の初秋から本当の生活を取り戻そう」という決意が感じられます。

真冬の寒さをしのいで外に出るために、繭のようなオーバーサイズ、カジュアルながら洗練されたデザインのニューニット、暖かいスキーウェアのようなルックなどが見られます。

きらびやかなパーティードレスや、エネルギーや活力を感じさせるエレガントな赤色なども、外出や生活を取り戻すというテーマにふさわしいトレンドです。

メンズウェアのトレンド

今回のメンズウェアの中心トピックは「アーティストのタイアップ」「政治」「自然保護」「アイデンティティ」「スタイリング」「カルチャーの流動性」などです。

女性的な雰囲気のある花柄や、スカート、ドレスなどをメンズウェアに取り入れ、ジェンダーレス化が進んでいます。

また、スポーツウェアからインスピレーションを受けたデザインもあり、特にカーレースが注目を浴びています。

まとめ

パリコレは伝統を受け継ぎつつも、世の中の情勢を受けて変化を続けています。
今後パリコレはどのように変わっていくのか、また、パリコレからどんなトレンドが生まれるのか楽しみですね。

今回ご紹介した2021-22秋冬のトレンドは、エスモード東京校のオンラインセミナーで解説されたものです。

エスモード東京校のオープンキャンパスでは、授業を体験できる体験講座や、講師・卒業生から最新のファッション事情などを学べるセミナーを開催しています。

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エスモードは、東京恵比寿にあるファッションの学校です。 フランス・パリで世界初のファッション専門教育機関として1841年に開校。 現在は世界13か国に19校あり、その日本校であるエスモードジャポンの広報を担当しています。 世界のネットワークを生かした情報発信とファッション業界について解説していきます。

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