ファッションショーとは?詳細や歴史を徹底解説!
ファッションショーはファッションを愛する人にとっての一大イベントであり、毎回多くの人がショーに訪れています。
ここではファッションショーの詳細や誕生の歴史を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ファッションショーとは
ファッションショーとは、ブランドの新作発表やトレンドを発信する場です。
実際に人が洋服を着てランウェイを歩くことで、「生地の質感やデザインのシルエットなど、わかりやすく伝える」ことを目的として開催されます。
現在のようなデザイナーがデザインし、モデルに着せ、年に数回行うファッションショーのスタイルは、イギリスのファッションデザイナー「シャルル=フレドリック・ウォルト」が考えたとされています。
ウォルトは自らがデザインしたものをモデルに着せて、顧客のために店内を歩かせました。これがファッションショーの始まりだといわれています。
ファッションウィークとは何?
ファッションウィークとは、数日間にわたって開催されるファッションショーのことです。約1週間、長ければ10日程度の連続した期間中、複数のブランドがシーズンのテーマに沿って新作の発表をし、ショーを通してトレンドを発信し、ブランドが打ち出すコンセプトや世界観を伝えます。
ファッションウィークの中でもニューヨーク、ミラノ、ロンドン、パリで開催されるものは、「世界4大コレクション」と呼ばれ、とりわけ世界中から注目されています。
また、日本にも国内最大級のファッションウィーク「Rakuten Fashion Week TOKYO」があり、近年では香港やフィリピンなどのアジア各国からの参加もみられ、さらにその規模は拡大しています。
ファッションショーの歴史と現在
ファッションショーは1910年代以来の伝統をもち、1950年代には世界の流行を完全に牽引していました。
そして60年代以降に起きたプレタポルテの急速な発展により、プレタポルテ(既製服)・コレクションが現代ファッションの礎を築いたのです。
今では、ミラノやニューヨーク、ロンドンや東京などでも、既製服のファッション・ショーが行われています。
日本で初めてファッション・ショーが行われたのは1930年代後半ごろで、本格的に普及したのは第二次世界大戦後の洋裁ブーム(1950年代)以降とされています。
日本のファッションショーの現在
日本ではもともと、富裕層に向けて一点物がメインとなったファッションショーでした。
しかし2000年以降は、「リアルクローズ」と呼ばれる一般的な生活者に向けたファッションショーが頻繁に行われるようになったのです。
そして近年では、実際にランウェイを歩いているモデルが着用した服飾を、展示即売やインターネットなどでリアルタイムに購入できることから、ファッションショーというものが身近になりました。
また、プロのファッションモデルの他に、タレントや読者モデルなども参加するようなショーも度々開催されています。
このように、モデルと観客の距離が近いのが、現在の日本のファッションショーの形でしょう。
ファッションショーのオンラインイベント化
コロナウイルスが流行し、世界中でファッションショーが中止になった中、2021春夏のショーの中で注目されたのが、オンライン化されたルイ・ヴィトンのファッションショーです。
会場にはカメラが何台も設置されているので、ショーに参加できなくても、パソコンを介して会場の様子を視聴することができます。招待されたけれど行けない人のために、それぞれの目線からショーが見られるということで話題になりました。
誰でも見られるオンラインイベントにするのかという議論もありましたが、将来このようなイベントが増えるかもしれません。
ファッションショーとコレクションの違いとは?
「ファッションショーとミラノやパリのコレクションは同じような意味があるのではないか」と思う人もいるかと思いますが、それぞれ意味合が違います。
これを機にファッションショーとコレクションの違いを知りましょう。
ファッションショーはブランドやデザイナーが単独で作品を披露するステージであるのに対し、コレクションはいくつかのファッションショーをまとめたものを指します。
日本ではファッションショーではなく、コレクションとしてイベントを開くことのほうが多いです。
現在日本で行われている有名なコレクションを4つまとめました。
東京ガールズコレクション(TGC)
東京ガールズコレクションは若い女性をターゲットとした、リアルクローズのファッションショーです。
2005年から始まって以来、そのときに旬のタレントやYouTuberなどもファッションショーに参加して毎年話題になっています。
東京コレクション(Rakuten Fashion Week TOKYO)
日本を代表する東京で行われるファッションショーです。世界4大コレクションと同様、毎年春・秋に開催しています。
東京コレクションは日本のTOP DESIGNER6(TD6)でもあるコシノジュンコや金子功、菊池武夫や花井幸子、山本寛斎や松田光弘らにより、ファッションショーを広める目的で作られました。
神戸コレクション
阪神・淡路大震災をきっかけとし、神戸の街を活気づけたい想いから2002年に始まったファッションショーです。
東京ガールズコレクションと同じく、消費者参加型のリアルクローズのファッションショーとして人気があります。
関西コレクション
2011年、大阪の「京セラドーム大阪」で開催されたファッションショーです。無料エリアもあり、一般開放されているので、気軽に参加できるのが特徴。
若い女性をターゲットとしている点では、東京ガールズコレクションと同様といっても良いでしょう。
ファッションショーのオートクチュールとプレタポルテの違い
ファッションショーには、大きく分けて「オートクチュール」と「プレタポルテ」があります。
それぞれの意味合いや、ファッションショーについてどのような違いがあるのか見ていきましょう。
オートクチュール系のファッションショーについて
オートクチュールとは、デザイナーが顧客のために特別にデザインし、一点物の高級な服を仕立てることをいいます。
基本的にオートクチュールと呼べるのは、パリのクチュール組合に加盟しているお店だけです。ちなみに、現代スタイルのファッションショーが生まれるきっかけを作ったウォルトは、最初のオートクチュールデザイナーといわれています。
オートクチュール系のファッションショーは、その名の通り、オートクチュールの服を取り扱ったショーです。
オートクチュール系のファッションショーには毎年約30ブランドが参加していて、代表的なブランドとしてシャネルやディオール、ヴァレンティノなどがあげられます。
しかし、現在はオートクチュールを単独で扱うファッションショーが少なくなってきています。日本でも有名な「パリ・コレクション」のように、「オートクチュール部門」として扱っているファッションショーがほとんどです。
プレタポルテ系のファッションショーについて
プレタポルテとは高級既製服を指します。1点物をデザインするオートクチュールとは対照的に、量産として作られるた服のことです。
プレタポルテだけを扱ったファッションショーを「プレタポルテ・コレクション」といい、年2回、ニューヨーク・ロンドン・ミラノ・パリ・東京の世界5大都市で開催しています。
プレタポルテ系のファッションショーは、トレンドやアイデアを重視したデザインなど、話題性があるものを提供しているのが特徴です。
プレタポルテを代表するブランドは、主にルイヴィトンやプラダ、グッチなどがあげられます。
ファッションショーが開催されるまでの流れ
ファッションショーは多くの人の協力によって作られます。
大まかな流れは以下のようなものです。
- デザイナーや演出家がショーの演出方法や構成を考える
- 会場の舞台や音響のために専門の方々を手配
- キャスティング会社にモデルを手配
- 会場・ステージ全体が完成する
- ショー数日前にはモデルのお洋服のフィッティングをする
- ショー当日はバックステージでヘアメイクやがメイクをフィッターが着せつけを行う
重要なポイントだけ簡単に説明しましたが、このようにファッションショーが盛り上がりを見せる背景には、こうした多くの方々の苦労があるのです。
ここからはもう少し細かく見ていきましょう。
ファッションショーに関わる職種や会社は?
ファッションショーに関わる職種や会社はどのようなものなのか見ていきましょう。
職種
ファッションショーに関わる職種として、主に以下の6つがあげられます。
- ファッションデザイナー
- スタイリスト
- ファッションモデル
- 演出家
- ヘアメイク
- フィッター
- その他
ファッションデザイナー
デザイナーは衣服などの製品をデザインする仕事です。
大別すると、企業に勤務して働くデザイナーと、フリーランスを経て活躍するデザイナーの2パターンに分けられます。
どちらも、その時々の流行を踏まえながらコンセプトを考え、多くのデザイン画を描いて、コレクションの形を作りあげます。
デザイナーになるためには、デザイン力だけではなく技術や知識が必要です。技術を取得するなら、デザインを学べる大学か専門学校に通うことをおすすめします。
スタイリスト
スタイリストは、ショーに出演するモデルやタレントのスタイリングを行う仕事です。
1人ひとりの雰囲気や体型に合わせてランウェイで着るルックやアクセサリー、ヘアメイクを考える必要があるため、高いファッションセンスが求められます。
さらにモデルに必要なアイテムをブランドから手配する場合もあり、最初から最後まで商品を管理しなくてはなりません。
また、モデルが使用する衣裳やカバンなどを運ばなくてはならないことです。このため、体力が必要になります。
資格は必要ありませんが、スタイリストを目指すのなら専門学校に入学するのが一般的でしょう。そこからアシスタントとして実績を積むのが近道です。
ファッションモデル
モデルはファッションショーの顔と呼べる存在です。
自らが広告塔となり、商品をアピールし、多くの人に知ってもらい購入してもらうことが目的です。
雑誌やカタログなどでファッションアイテムを身につけ、魅力をアピールし、多くの人に宣伝します。
ファッションショーに出演するファッションモデルは、その世代のファッションリーダー的な立場となります。
ウォーキングの技術やポーズなど、感性も求められる仕事です。厳しい世界ではありますが、人気モデルになれば俳優に転身することもあるかもしれません。
演出家
演出家はファッションショーの演出方法や構成を考える人で、「ファッションプランナー」とも呼ばれています。
まずショーで紹介するルックや主催者の意向などを参考に、ショーのコンセプトからイメージを膨らませます。
それに基づき、会場のレイアウトや音響、照明、特殊効果などの演出プランを練り、進行を管理し、会場全体をデザインするのが主な仕事です。
演出家に大切なのは、コレクションのコンセプトをしっかり把握することです。コレクションの魅力を引き出すような演出方法、構成を考えなければなりません。
そのため、演出家は企画力や提案力、実行力が求められることが多いでしょう。
演出家になるためには、ファッションの知識を学ぶために専門学校に通ったり、ファッションブランドの企業に就職したりして、スキルを高めていくのが一般的です。
ヘアメイク
メディアなどで活躍している通常のヘアメイクではなく、舞台用にメイクすることをショーメイクといいます。
通常のメイクとショーで施すメイクは技術が異なるため、独学では難しいところがあります。
ファッションショーの現場では、さまざまな骨格や肌質のモデルをメイクする必要があるため、より多くの人をメイクすることでノウハウを得られる専門学校への進学がおすすめです。
ファッションショーでヘアメイク担当できるのは、ほんのわずかですが「憧れのモデルにメイクができる」「自分が手がけたメイクを多くの人に見てもらえる」などの喜びを感じられます。
フィッター
フィッターとは、簡単にいえばモデルに洋服を着せたり装飾品をつけたりする人で、基本的にブランドスタッフが行います。
特にファッションショーは着替えのテンポが早く、衣装が破れていたらすぐに直さなくてはならないため、器用さと縫製の技術が必要です。
トラブルに強く、どんなことがあっても素早い対応能力が求められます。
また、東京コレクションの場合、ファッションの専門学生が実際にフィッターを行っているケースも。
コネも大切になる職業なので、専門学校で知識や縫製技術を磨いてファッションショーに参加していくのが近道でしょう。
その他
その他の職種としては、ファッションアドバイザーやマーチャンダイザーなどが挙げられます。
ファッションアドバイザーは、ファッションアイテムの企画やプロモーション方法を提案する仕事です。
そしてマ
マーチャンダイザーはアパレルメーカーや小売店において、ビジネス面のトータルプランニングを担当する仕事です。
市場調査の結果をもとに商品の売れ行きを考慮して、商品企画や販売計画を立てます。
ファッションショーには直接関係しないものの、ショーの影響で需要が増えることが予想される商品があれば、それらの生産量や価格を適切にコントロールすることが必要になります。
会社
次にファッションショーに関わる会社を見ていきましょう。
ファッションショーに関わる会社は以下の2社です。
- PR会社
- キャスティング会社
PR会社
PR会社とは、企業・団体の担当者に代わって、広報PR業務を行う会社です。
近年、インターネットの浸透により、マスコミを媒介しなくても、SNSやオウンドメディアを通じて直接消費者に情報発信できるなど、情報伝達のプロセスが変化しています。そうした広報業務を、PR会社は代行します。
ファッションショーにおいては、企画・制作・運営を代行するのがPR会社の役割です。
企画・制作・運営の中には会場を設営する、招待するゲストを選定する、有名人に対して出演の交渉をするなどの業務が含まれます。
このことから、どのようなショーが展開されるのかはブランドやメーカーだけではなく、PR会社によっても大きく変わると言えるでしょう。
キャスティング会社
キャスティング会社とは、モデルやタレントなどの出演者の配役をする会社です。
クライアントからの依頼に応じて、各出演者のスケジュールを確認・調整し、当日ファッションショーに出演してもらえるよう手配します。
ファッションショーの場合、最終決定権者はファッションデザイナーとなるため、イメージを明確に聞き出さなくてはなりません。
事務所からの宣材写真の収集や候補モデルの事務所情報の把握、肖像利用開始後の管理や延長契約など、やらなければならないことがたくさんあります。
ファッションショーに招待される人はどんな人?
ファッションショーには毎年さまざまな人が招かれています。中でも多いのが編集者や記者、スタイリストやライター、カメラマンやインフルエンサーなどのメディアに精通している人達です。
彼ら彼女らを呼ぶことで話題となり、「ファッションショーの存在」をより多くの人々に知ってもらうことができます。
これまで一般の方はファッションショーに参加するのが難しいとされてきました。
しかし、上記でも記載したように、日本では一般の方が参加できるファッションショーも増えています。
ファッションショーで仕事を学びたい人や、単純に洋服が好きだからという人は、エスモードのファッションショーがおすすめです。
エスモードでは、学生たちが一から作り上げたファッションショーが楽しめます。
エスモードではミニコレクションを開催
2022年10月23日、エスモードジャパンにて、1年生によるミニパッサージュ(ミニコレクション)を行います。
以前は恵比寿ガーデンプレイスで実施しましたが、今回はエスモード校内で実施します。ファッションの専門教育機関で行われるものですから、前回以上に本格的なファッションショーが楽しめること間違いなしです。
コレクションテーマは「違和感」
最近のファッショントレンドとして、グッチとアディダス、リーボックとマルジェラのスポーツウエアとラグジュアリー、コーチとAPEなどブランド同士のコラボが意外な組み合わせにより「面白くて新しい価値」が生み出されています。
ミニパッサージュでは「違和感」というコレクションテーマに沿って、意外な素材や加工の違和感、色やプリントの組み合わせを楽しむ作品を発表する予定です。
エスモードの1年生がスウェットシャツを発表
今回のファッションショーでは、エスモードで学ぶ1年生が6回の授業で作り上げる「オリジナルのスウェットシャツ」を発表します。
オリジナルスウェットシャツの制作は、パリ校のカリキュラムに基づいています。スウェットシャツのパターンをベースに、学生はそれぞれの技術やアイデアを駆使し、オリジナルスウェットを完成させました。
すべて学生が手がけたファッションショー
今回のエスモードのファッションショーの見どころのひとつは、「すべて学生が手がけた」ところにあります。舞台の制作からショーの演出・構成、音響やヘアメイクなど、すべて学生が考えました。
そのため、ファッションだけではなく、ファッションショーに携わりたいすべての人に見てもらいたいショーになっています。
まとめ
ここまで「ファッションショー」をテーマにお伝えしてきました。
ファッションが好きな人にとって、ファッションショーは目が離せないビッグイベントですよね。
将来、ファッションショーに関わる仕事に就きたいという人は、まず初めにファッションについて学べるスクールに入学するのがおすすめです。
中でも「エスモード」では、業界のプロの講師からファッションに関するノウハウを徹底指導してもらえ、本格的に学べます。
憧れのファッションショーを舞台に活躍したいという人は、「エスモード」への入学を検討してみると良いでしょう。
また、2022年10月23日(日)14時から、実際にエスモードで学んできた学生によるファッションショーをエスモードジャパンにて実施します。興味のある人はぜひ足を運んでくださいね。
この記事を執筆したエスモードなら就職率は約90%以上!
エスモードでは毎年卒業生全員が、デザイナー・パタンナーなどの専門職で就職しています。
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