CAD利用技術者試験とは

cadの業務

CAD利用技術者試験とは、CAD(=コンピュータ支援設計)システムに関する正しい知識と技術をはかる試験です。

これまで手作業で行われていた設計作業は、CADの誕生によって効率よく進むようになりました。建築業や機械・自動車などの製造業はもちろん、インテリアやアパレル業界でも取り入れられています。

CAD利用技術者試験とはどのような試験で、どんな内容が出題されるのかなどを詳しく解説していきます。
 

2次元CAD利用技術者試験には3種類の試験がある

cadの勉強CAD利用技術者試験には、まず大きく分けて平面の設計ツールである2次元CADに関する試験と、立体の設計ツールである3次元CADに関する試験の2種類があります。

どちらを受験するのかは、活かしたい仕事や会社で導入しているソフトによって変わってきますが、これからCADについて学んでいく初心者の方なら2次元CAD利用技術者試験から受験されることをおすすめします。

そして2次元CAD利用技術者試験は、さらに「基礎」「2級」「1級」の3種類に分かれていて、基礎が最も易しく、2級、1級と難易度が高まっていきます。
3つの階級の試験について詳しく解説していきましょう。

2次元CAD利用技術者試験基礎

CADシステムとはいったいどんなもので、何ができるのか、という基本知識から出題されます。実務経験のない学生の方や、CADの知識をこれから学んでいく方に最適な試験です。

受験資格

なし

試験内容

筆記試験50問
  • CADシステムの知識と利用
    CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ
  • CADシステムのプラットフォーム
    CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、コンピュータの操作、OSの基本操作
  • 製図の知識
    製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法
  • 図形
    三角形、四角形と多角形、円、三平方の定理、三角関数、立体図形

合格ライン

総合7割以上を合格基準とします。

受験料

4,000(+税)

2次元CAD利用技術者試験2級

2級では、3級の内容からさらに掘り下げ、操作や運用に対してより実践的な知識が問われます。基礎知識をすでに持っている方やCADシステムの基礎的な操作が行える方に適した試験です。

受験資格

なし

試験内容

筆記試験60問
  • CADシステム
    CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ、CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、CADシステムの運用・管理と課題、3次元CADの基礎知識
  • 製図
    製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法

合格ライン

CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準とします。
出題比率は、CADシステム:60%、製図:40%です。

受験料

5,500円(+税)

2次元CAD利用技術者試験1級

1級は「機械」「建築」「トレース」の3種類があり、どれかひとつを選んで受験します。
CADシステムを利用して1年以上の実務経験がある方が対象となっており、高度で実践的な知識と技術が必要とされる試験です。

受験資格

2級または1級(ともに旧称号を含む)の資格保有者

試験内容

筆記試験25問
<機械>
  • 機械製図の知識
    設計技術者に要求される資質、機械製図の基礎、材料、サイズ交差<寸法公差>とはめあい、幾何公差、表面性状、加工方法、機械要素
<建築>
  • 建築製図の基礎知識
    建築業務の基本知識、建築製図、建築の主な構造、建築の主な材料と部材、モデュール、建築法規、建築業務と建築図面の役割
  • 建築生産の電子情報
    情報の伝達と共有、建築CALS/EC/、3次元CAD、コンピュータによるシミュレーション
トレース
  • 製図の知識
    図面の名称、線の種類と用途、寸法補助記号、図記号(建築、機械、土木、電気)

実技試験

<機械>
  • 機構部品の作図
    リンク構造、カム構造
  • 適切な数値(カタログ、要目表などからの作図、機械要素部品)
  • 投影図からの作図
    第三角法
<建築>
  • RC図
    平面図、断面図、立面図、矩形図、部分図、展開図
  • 木造
    平面図、断面図、立面図、部分図、展開図
トレース
  • 編集・レイヤ設定能力
    図形の編集、コマンド機能、レイヤ設定
  • トレース能力
    図面のトレース
  • 投影能力
    投影関係と形状理解

※実技試験では、出題される分野の専門知識は必要ありませんが、図記号、線種などの知識は必要となります。

合格ライン

実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上。

受験料

15,000円(+税) ※過去の1級合格者は10,000円(+税)

まとめ

CAD利用技術者試験とは、コンピュータ支援システムに関する正しい知識と技術をはかる試験です。CADの導入により、今まで手作業で行っていたことがデジタル化され、効率よくモノづくりが行えるようになりました。導入する企業も増えており、正しく使いこなせる知識をもっていることでより希少価値の高い人材となります。

ぜひCAD利用技術者試験とはどんな試験なのかを知って、受験に向けての情報収集を行ってみてください。

引用URL

https://www.acsp.jp/cad/2d.html

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