オートクチュールとは?コレクションの詳細や歴史を徹底解説!
ファッションに興味のある人であれば、「オートクチュール」という言葉を一度くらいは耳にしたことがあるでしょう。
しかし中には、聞いたことがないという人も少なからずいると思います。
そこで今回は、オートクチュールの詳細や歴史などを詳しく解説していきます。
オートクチュールについて詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
オートクチュールとは?
オートクチュールとは、パリ・クチュール組合に加盟する店、および加盟店で作られるオーダーメイドの一点物のことです。
フランス語で、オート(haute)は、「高い」「高級」、クチュール(coutur)は「縫製」「仕立服」という意味で、これらを合わせてオートクチュール=「高級仕立服」と言います。
しかし、厳密に言うと、高級仕立服がすべてオートクチュールというわけではありません。
一点物の中でも、パリ・クチュール組合の加盟店で作られたものだけをオートクチュールと呼べるのです。
ただし、日本国内では、製造過程にオートクチュールの手法を取り入れているブランドやファッションのことを、オートクチュールと呼ぶこともあります。
オートクチュールは、1着で数千万円と高額のため、赤字のブランドも多いと言われます。
それでも生産され続けるのは、オートクチュールがファッションの土台だからです。
オートクチュールで使用される上質な生地、刺繍や縫製の技術は、いわばファッションの土台。
オートクチュールの生産をやめることは、ファッションの土台を失うことと同じと言えるでしょう。
また、オートクチュールを展開することはステータスでもあり、ブランドの価値が上がります。
ブランドの価値が上がることで、オートクチュール以外の部門の売り上げも上がるため、オートクチュールを生産し続けるブランドも多いです。
オートクチュールの歴史
オートクチュールが誕生したのは、20世紀初頭と言われています。
当時のパリは高級仕立店が数多くあったため、オートクチュールの規格は統一されていませんでした。
そこで、イギリスからやってきたデザイナーのシャルル・フレデリック・ウォルトが、これらの高級仕立店をシャンブル・サンディカル(パリ・クチュール組合)として組織化しました。
シャンブルサンディカルの設立により、顧客の要望や好みを汲み取ってデザインする従来の服作りは、デザイナーがデザインしたものを顧客に合わせて売るという「デザイナー主導の服作り」へと変わっていったのです。
言い換えると、オートクチュールによって、デザイナーの社会的地位が上がったとも言えます。
以降、シャネルやディオールといったオートクチュールブランドが誕生し、20世紀の婦人服デザインの基礎を作っていきました。
1960年代、既製服であるプレタポルテが主流になると、オートクチュールの衰退が心配されます。
しかし、オートクチュールブランドは、新たにプレタポルテや香水、アクセサリー部門を展開することで、無事に存続しました。
現在のオートクチュールブランドでは、若手デザイナーが起用されることも多く、彼らによってオートクチュールのイメージを一新するデザインが生み出されています。
オートクチュール・コレクションとは?
オートクチュール・コレクションとは、オートクチュールだけを取り扱ったファッションショーのことです。
日本では、パリ・コレクションという名前の方が馴染み深いかと思います。
本来、パリ・コレクションは、パリ・オートクチュール・コレクションと、パリ・プレタポルテ・コレクションの総称です。
ただし、一般的にパリ・コレクションというと、規模の大きいパリ・プレタポルテ・コレクションを指します。
ちなみに、パリを含む世界4大コレクションのうち、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンはプレタポルテ・コレクションです。
プレタポルテ・コレクションとの違い
オートクチュールに対して、プレタポルテという言葉があります。
オートクチュールは、たった1人のために作られた服。
一方で、プレタポルテは高級既製服、つまり、大衆のために大量生産された服を表します。
プレタポルテだけを取り扱ったファッションショーが、プレタポルテ・コレクションです。
プレタポルテ・コレクションに比べて、オートクチュール・コレクションでは、主にゴージャスなドレスが登場します。
また、参加ブランドにも違いがあります。
プレタポルテ・コレクションでは、参加ブランドに厳格な決まりがありません。
対して、パリ・オートクチュール・コレクションでは、パリ・クチュール組合に加盟する限られたブランド、または招待されたブランドしか参加できない決まりになっています。
オートクチュールを買う人とは?
オートクチュールの主な顧客は、世界中の王族やセレブ、ファーストレディです。
近年では、中国やドバイの富裕層が顧客になることも多いそう。
正式なデータはありませんが、新作が発表されるたびに注文する顧客が、世界中に500人ほどいるとの情報もあります。
さらに、ロンドンやアメリカでは、一般人でもオートクチュールを買う文化が広がっています。
ウェディングドレスなど、結婚式にオートクチュールを取り入れるのがブームになっているのだとか。
また、少しずつではありますが、日本のマーケットも拡大しています。
日本では一生物にお金をかける文化があるので、ウェディングドレスにオートクチュールを取り入れる人も、今後増えていくかもしれませんね。
オートクチュールを買うには、パリの店へ足を運ぶ必要があります。
自分にぴったりのオートクチュールを作ってもらうため、採寸、仮縫い、本縫いと、最低3回は現地に行き、フィッティングをしてもらいます。
オートクチュール・コレクションの参加ブランド
では、オートクチュール・コレクションにはどんなブランドが参加しているのでしょうか。
2021/22秋冬オートクチュール・コレクションの動画とともに、参加ブランドを紹介します。
CHANEL(シャネル)
シャネルのコンセプトは、女性の解放。
創業当初、女性の服といえば、窮屈なコルセットと重いバルーンスカートでした。
そこで、創業者のココ・シャネルは、女性が自由に動ける機能的な服をデザインしました。
シャネルの代名詞であるジャケットも、女性の解放を目的に作られたものです。
もちろん、2021/22年秋冬オートクチュール・コレクションにも、ジャケットが登場しています。
今シーズンは、色を混ぜ合わせたツイードのコート、花柄のジャケットやドレスなど、印象派の絵画を思わせるアイテムが目立ちました。
DIOR(ディオール)
ディオールは、エレガントをコンセプトに掲げ、「女性のエレガントとは何か?」を追求し続けています。
2021/22年秋冬オートクチュール・コレクションでも、華麗なプリーツや、長く裾を引くドレス、手織りのチェーンなど、エレガントを追求したファッションが登場しました。
また、創業者のクリスチャン・ディオールが大切にしていた、パウダーブルーやヌードカラーといった柔らかい色のドレスも発表されました。
BALENCIAGA(バレンシアガ)
バレンシアガは、モードファッションにカジュアルな要素を入れるなど、ファッションに新しい試みを取り入れています。
日本では、ストリートブランドのイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
創業者のクリストバル・バレンシアガがファッション界を去って以来、オートクチュールから撤退していましたが、2021/22年秋冬、53年ぶりにオートクチュールを発表しました。
一見リアルクローズのようなデザインに、卓越したサヴォアフェール(匠の技)と最高品質の生地を取り入れることで、新たなオートクチュールを生み出しました。
FENDI(フェンディ)
フェンディを象徴するアイテムは、毛皮やピーカブーバッグなど、さまざまです。
どのアイテムも、フェンディのサヴォアフェール(匠の技)と無限の創造性によって作られたものです。
2021/22年秋冬には、「時代や文化、美学の現代的な繋がり」をテーマにしたコレクションを発表。
時間の重なりを表現した複雑な刺繍や、大理石をモチーフにしたドレープなど、あらゆるディテールでテーマを表現しました。
オートクチュール・コレクションに関わる職種
次に、オートクチュール・コレクションに関わる職種を見ていきます。
ファッションモデル
ファッションモデルはファッションアイテムをまとってランウェイを歩き、顧客にアピールするファッションショーの広告塔的ポジションです。
商品の魅力をアピールして多くの人の購買意欲を引き出すことが、ファッションモデルの主な役割です。
ファッションモデルは「プロのモデル」と「読者モデル」の2つに分けられます。
プロのモデルというのは、事務所所属のモデルや雑誌の専属モデルのことで、モデルの仕事を本業として生計を立てている人を指します。
一方で「読者モデル」は、多くの場合は学生やOLなどをしながら、空いた時間に副業としてモデル活動をする人を指します。
スタイリスト
スタイリストとは、ショーに出演するモデルやタレントに服やアクセサリなどをコーディネートする人のことです。
最初にクライアントと打ち合わせを行い、モデルにどのような衣装を着せるかを話し合います。
使用する衣装のデザインや方向性が決まったら、レンタルやリースなどで服を用意します。
デザイナー
デザイナーは衣服やバッグ、靴などの服飾品をデザインする人のことです。
基本的にデザイナーの仕事は企画から始まり、デザイン画を立体化した型紙の製作や使用する生地の選定、商品化するまでの生産ラインの確保、販売戦略など、総合的な目線で1つの商品をデザインしていきます。
以上から、ファッションデザイナーには新たな作品を生み出す力はもちろん、顧客のニーズを的確に読み取る力や流行をいち早くキャッチする力が求められます。
演出家
演出家はショーやファッションイベントを企画、演出、プロデュースする人を指します。
まず初めにファッションデザイナーやアパレル企業などから依頼を受け、その後はショーの会場手配や演出、PRなどを行っていきます。
ショーのコンセプトや魅力をしっかりと届けるためにも、ファッションショーを実現する企画力や提案力、実行力が必要となります。
その他の職種
その他の職種として、編集者や記者、カメラマン、インフルエンサーなどが挙げられます。
この方々はファッションショーを多くの人に発信するための知識や技術を有しています。
当然、主催者側はより多くの人にショーの存在を知ってもらいたいと考えているので、メディアに精通している彼らを招くことが多いです。
オートクチュール・コレクションに関わる仕事に就くには?
オートクチュール・コレクションに関わる仕事に就きたいという方は、まず初めに自分がどのような形で携わっていきたいかを考えるところから始めましょう。
一口にオートクチュール・コレクションに関わる仕事といっても、ファッションモデルやデザイナー、スタイリストや演出家など種類はさまざまです。
それぞれ仕事内容や役割が異なるので、自分の適性に合うのはどの仕事なのかを調べてみると良いでしょう。
そして目指す方向性が決まったら、今度はその方向性に沿った専門学校を探しましょう。
例えば、デザイナーを目指すのであればデザイナーに特化した専門学校、スタイリストを目指すのであればスタイリストに特化した専門学校に通うのがオススメです。
専門学校に入学した後はノウハウをゼロから学び、プロになるためのスキルを磨いていきましょう。
まとめ
ここまでオートクチュール・コレクションに関するさまざまな情報をお伝えしてきました。
将来オートクチュール・コレクションに関わる仕事に就きたいという方は、ファッション関係の専門学校に通い、プロとして働くためのスキルを習得していきましょう。
ただ、ファッション関係の専門学校は全国に多数存在するので、どの学校に通うべきか分からないという方も多いと思います。
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