ファッションデザインのトレンドはどう決まる?2022SSのトレンド紹介
オシャレが好きな方や流行に敏感な方にとって、「トレンドデザイン」は洋服を選ぶ大事な理由のひとつになりますよね。
では、トレンドデザインはどのように生み出されているのかご存知ですか?
ファッション業界のトレンドは自然に生まれるものではなく、じつは前もって決められているのです。
今回は、ファッションデザインのトレンドが決まる流れや、近年に見られる流行の形の変化、2022SSのトレンドデザインをご紹介します。
目次
ファッションデザインのトレンドが生まれるまでの流れとは?
ファッション業界のトレンドは、シーズンが始まる2年前から予測・決定されています。
デザイナーは、予測されたトレンドを元に、自分の感性や個性を交えながら洋服をデザインしています。
ファッションデザインのトレンドが決まるまでの流れは以下の通りです。
トレンドカラーが決まる
まずはシーズンの2年前に、トレンドカラーが決められます。
トレンドカラーを決めるのは、別名インターカラーとも呼ばれている、「国際流行色委員会(International Study Commission for Color)」という国際機関です。
インターカラーは、毎年6月と12月に会議を行っています。
会議では、社会情勢や時代背景を踏まえたうえで、2年後の春夏・秋冬シーズンに流行するであろう色を決める話し合いが行われます。
話し合いの末、選定された色は、2年後の世界共通のトレンドカラーとしてファッション業界に発信されます。
トレンドカラーの決定に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考下さい。
トレンド素材が決まる
トレンドカラーの次に決められるのは、洋服に使われる素材です。
シーズンの1年半程前から、糸の展示会である「ヤーン展」、生地の展示会である「テキスタイル展」が世界各地で開催されはじめます。
展示会には、インターカラーが選定したトレンドカラーなどをもとに、流行するであろうと予想される多くの素材が展示されています。
ファッションデザイナーは、展示されている糸や生地から、デザインする洋服の素材を決定します。
トレンド素材の決まり方や、ヤーン展・テキスタイル展について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考下さい。
トレンドの素材はどう決まる?2022SSの注目アイテムも紹介
デザインを決めて洋服をつくる
トレンドカラー・素材の選定後、ようやくデザイナーがドレンドの服をデザインするために必要な材料が揃いました。
このように、デザイナーたちは自分の感性に従って自由に洋服をデザインしながらも、予想されているトレンドを意識してデザインを考えているのです。
またブランドや扱うアイテムによって具体的な数は異なりますが、デザイナーたちは1シーズンで大量のデザインを考えなければいけません。
トレンドを意識した洋服を短期間で創り出すことは難しいため、2年前からトレンドカラーの選定が行われているのです。
コレクションで新作のデザインを発表、トレンドが発信される
デザイナーがデザインした洋服は、シーズンの半年〜一年程前に行われるファッションウィークで発表されます。
ファッションウィークとは、来シーズンのコレクションの新作発表の場としてのランウェイショーや展示会が世界各地で開催される期間のことです。
なかでもパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークで毎年開催されているコレクションは、4大コレクションと言われるほど有名。
コレクションでお披露目された新作デザインたちは、ファッション関係者やファッション誌などのメディアによって、様々な媒体やSNSを通して発信され、トレンドとして認識されます。
その後、次のトレンドとなる洋服を生産し、市場や小売店に並べられて一般の方々の元に届くのです。
流行の形が変わってきている?
上記で説明したとおり従来の流行の形は、ファッション業界側が一般の方々に対してトレンドを牽引していました。
しかし近年のSNSの普及・浸透により、生活者もそのシーズンのトレンド形成に影響を与える存在となってきました。
SNS普及による変化
誰でも気軽に情報の発信・受信ができるSNSには、常に多くの情報が溢れているため、トレンドの移り変わりが激しかったり、生活者のニーズが細分化されるようになったりという現象が見られはじめました。
また、強力な影響力を持つインフルエンサーたちの登場により、市場の予測を超えるトレンドが生まれる可能性もあります。
そのため最近では、ストリートや一般の人々がブランドの予期せぬ着方や洋服を選び発信していくことで、逆にブランドがそれを吸収し生まれる「ボトムアップ型の流行」を積極的に取り入れる名門ブランドも続々出てきました。
2022春夏のトレンドデザイン
2022年の春夏は、ボリュームのあるデザインや、60年代を思わせるようなスタイルがトレンドです。
アイテムごとにトレンドのデザインをチェックしましょう。
トップス
トップスで注目したいトレンドデザインは、肩にボリュームのあるパワーショルダーや、服の丈をウエストや胸の辺りで切り落としたクロップドトップス。
まさに60年代を彷彿とさせるような、ボディコンシャスなデザインは今年らしさ満点です。
パンツ
注目したいトレンドパンツは、膝前後の短めの丈で、ややシルエットが細めなバミューダパンツ。
アメリカ合衆国では60年代、日本では70年代に流行したデザインです。
2015年頃から再び注目されるようになり人気のあるバミューダパンツは、引き続きトレンドアイテムに仲間入りしています。
バリエーション豊富なデザインや着こなしが登場しており、今っぽいバランスが手に入りますよ。
スカート
スカートは、60年代を思わせるミニスカートが注目されています。
今シーズンは、裾がほんのりフレアな台形シルエットや、下着が見えそうなほどのマイクロミニなど、レトロシックでデザイン性に富んだアイテムが揃っています。
バッグ
バッグのデザインも、存在感ある「ビッグバッグ」が今年のトレンドにランクイン。
普通のバッグの2倍、3倍ほどあるような、とにかく大きすぎるデザインが特徴的で、そのアンマッチさを楽しむのがポイントです。
まとめ
ファッションデザイナーは、シーズンごとに行われるコレクションに向けて、トレンドを意識した新しいデザインを最低でも50〜60型ほど生み出さなければいけません。
そのため、国際機関によってトレンドカラー選定の会議がシーズンの2年前から行われたり、ヤーン展・テキスタイル展の開催がシーズンの1年半ほど前から行われたりしています。
しかしSNSの影響によって、流行の形がトップダウンからボトムアップへと変化しつつあります。
いずれにせよ、ファッション業界においてトレンドを意識したデザインの制作は絶対条件といえますね。
服を楽しむわたしたちも、トレンドデザインを上手に取り入れながらファッションを楽しみましょう。
この記事を執筆したエスモードなら就職率は約90%以上!
エスモードでは毎年卒業生全員が、デザイナー・パタンナーなどの専門職で就職しています。
デザイナー、パタンナーを育成する総合学科では、各学生を理想のキャリアに導くカリキュラムが組まれています。このカリキュラムの実践を通して、流れの激しいファッション産業界で即戦力として通用する人材を育成することで、他の追随を許さない圧倒的な就職実績を誇っています。ご興味がある方はぜひ下記リンクをご確認くださいませ。
中央校