デジタルファッションとは?注目を集める理由を徹底解説!
近年注目を集めているデジタルファッションは仮想空間で楽しむファッションのことで、ファッション業界に新たな風を吹き込み、多くのブランドが事業拡大のために取り入れはじめています。
今回はデジタルファッションが注目を集めている理由をはじめ、メリットや実際の活用例などについて解説していきます。
目次
デジタルファッションとは
デジタルファッションとは、その名のとおりデジタル世界で楽しむファッションのこと。現実世界ではなく、SNSやゲーム、メタバースといった仮想空間で、自分好みの服や靴、アクセサリーを着用します。
アバターに対して服を着せるものや画面内で自分が着用するもの、アバターと現実で同じ洋服を着て楽しめるものなどさまざまで、体型や性別などに関係なく好きなものを選べるのもデジタルファッションの特徴の一つです。
デジタルファッションが注目を集めている理由
近年デジタルファッション市場は急激に成長しており、多くのブランドがすでに参入しているほど注目を集めています。その理由として考えられるのは、次の3つです。
デジタルネイティブ世代の存在
日本でインターネットサービスが普及した1990年代半ば以降に生まれ、幼少期からインターネット社会に接している世代のことを「デジタルネイティブ世代」と呼びます。そしてこのデジタルネイティブ世代が、2035年までにはラグジュアリーファッション市場顧客のほぼ半数を占めると言われています。
生活の一部にSNSやオンラインゲームなどが組み込まれており、オンライン上でしか使用できないものにお金を使うのにもあまり抵抗がない人も多い傾向があります。このような背景から、デジタルファッションに参入することが今後のブランド存続に必要だととらえる企業が多くなってきています。
また、SNSに自身のファッションを投稿する人にとっては、デジタルファッションを活用することでSNS用に買った服を売る必要がなくなります。こういった人たちの影響も、デジタルファッションを台頭させた一因でしょう。
コロナ禍のファッション業界
コロナウイルスの流行をきっかけに、生活者のサステナビリティへの意識は急速に高まりました。社会や企業のあるべき姿を考え直すキッカケとしても大きな影響を与え、オンラインでのミーティング、メタバースなどバーチャルな世界でのつながりが増えたこともデジタルファッションが注目を集めるようになった理由の一つです。
NFTによるデジタルコンテンツへの資産価値担保
特定のデータに”オリジナルである”という証明を与える「NFT」によって、デジタルコンテンツに資産価値が担保されるようになったことはデジタルファッションにも大きな影響を与えました。
NFTで本物の証明をつけることで希少価値が生まれることやコピー品が出回るのを防ぐだけでなく、二次販売も可能に。NFTを用いたデジタルファッションに関しての注目度も高まっています。
NFTについてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
デジタルファッションのメリット
デジタルファッションを取り入れることのメリットとして、次の2点が挙げられます。
既存事業の拡張と新たな分野への開拓
デジタルファッションは物理的な制約に縛られることなく、自由な発想によるファッションを生み出すことができます。この点をうまく活用して既存事業を拡張できる点は大きなメリットでしょう。
常にアンテナを張り、新しいものを取り入れることは、ファッション業界において重要な考え方です。
サスティナブルファッションの実現
デジタルファッションを取り入れる大きなメリットの一つは、サスティナブルファッションが実現できるということ。
アパレル業界では、以前より製造工程で発生する環境汚染が問題視されており、さまざまな取り組みや呼びかけがおこなわれてきました。
デジタルファッションでは、
- 製造工程での二酸化炭素、水質汚染、廃棄後のゴミが発生しない
- 梱包や輸送のための資源が必要ない
という2点から、環境汚染の問題をクリアしています。
サスティナブルファッションについては以下の記事も併せてご覧ください。
デジタルファッションの活用例
ここからは実際にデジタルファッションが活用されているシーンを具体的に見ていきましょう。
デジタルファッションショー
ファッションショーはシーズンや年毎に開催されるのが通例ですが、コロナウイルスが流行した時期はショーが開催できなかったため、多くのブランドがデジタルでファッションショーをおこないました。
現実には存在しない場所でもデジタル技術を駆使してショーがおこなわれるようになり、洋服やアクセサリーだけでなく、空間を創り出すことでもブランドの世界観を表現しています。
デジタルショールーム
デジタルファッションの技術を使い、実際に店舗に足を運ばなくても洋服を選んで購入できるのがデジタルショールームです。在庫を店舗に大量に抱えて、売れなかった分は処分するといった必要がないため、サスティナブルファッションの実現にも大きく貢献しています。
メタバースでの活用
メタバースとは、インターネット上の仮想空間のことです。自分のアバターを作成して他のユーザーと交流したり、非現実的な体験をしたりできるものですが、そのメタバースにもデジタルファッションが取り入れられています。
バレンシアガ(Balenciaga)が「フォートナイト」で使えるスキンとフード付パーカーを販売したり、グッチ(Gucci)がゲームプラットフォームの「ロブロックス」で限定版のアクセサリーの販売やバーチャル空間を公開したりと、ラグジュアリーブランドが人気ゲームとコラボレーションをするなど、メタバース内でのデジタルファッションはどんどん可能性を広げていっています。
デジタルコレクション
デジタルコレクションとは、前述したNFTを用いて作成された衣服やアクセサリーなどのデジタルアイテムのことです。唯一無二のアイテムであることが証明されるため希少価値が高く、コレクションとして収集・所有できます。
デジタルファッションデザイナーとは
デジタルファッションに対する注目が高まったことにより、デザイナーの中でも新たなジャンルである「デジタルファッションデザイナー」という職業が生まれました。
ファッションやアートとデジタルが融合した新しい分野の職業として、今後多くの人に知られる職業になるでしょう。
また、デジタルファッションデザイナー向けの教室や体験が開催されるなど、子どもに向けてデジタルファッションを発信している環境もあります。このような場は、将来の選択肢を広げられるきっかけとなります。
エスモードで学ぶデジタルファッション
デジタルファッションは今後、ファッション業界の未来に大きな影響を与えていくでしょう。今はまだ認知度があまり高くないかもしれませんが、人々が所有するファッションアイテムの10〜15%がデジタルファッションになるとも言われています。
今回の記事をきっかけに、自身が楽しむファッションの一つにデジタルファッションを取り入れることを視野に入れてみるのはいかがでしょうか。
また、デザイナーという職業に憧れを抱いている人にとっても、デジタルファッションデザイナーという新しい職業は将来の可能性を広げてくれます。
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