バーチャルファッションとは?導入事例やメリットをご紹介!
バーチャルファッションとは、仮想現実の世界で体験できるファッションのことです。
VR技術を活用して、現実世界のファッションアイテムをデジタルで再現し、試着やスタイリング、アバターの作成などが楽しめます。
本記事では、アパレル業界におけるバーチャルファッションの活用法や導入のメリット、実際の導入事例などを紹介します。
目次
バーチャルファッションとは
バーチャルファッションとは、コンピューターによって創り出された仮想現実の世界で体験できるファッションのことです。
主に専用のゴーグルやヘッドセットなどを用いたVR技術を活用することで、現実世界のファッションアイテムをデジタルで再現します。
仮想空間内では、試着やスタイリングなどまるで実際の店舗にいるかのようなショッピング体験が楽しめます。
そのほか、キャラクターやアバターを作成してカスタマイズを楽しむ、自宅にいながらファッションショーなどのイベントに参加するなど、さまざまな楽しみ方があります。
バーチャルファッションの活用例
ファッションとVR技術をかけ合わせたバーチャルファッションの主な活用例は以下のとおりです。
- バーチャルファッションショー
- バーチャル展示会
- バーチャル店舗
バーチャルファッションショー
ブランドの新作発表やトレンド発信の場となるファッションショーを、バーチャル空間で開催することです。
3DCGで製作されたランウェイをモデルが歩き、ファッションアイテムを披露します。
顧客はVRデバイスを使って、自宅やオフィスなどからその配信を視聴。360度映像や立体音響、多彩なCG演出などを駆使した臨場感を楽しめます。
現地に足を運ぶ必要がないため、海外のコレクションでも気軽に参加できるのが魅力です。
また、アバターがアイテムを着用したり、視聴者がアバターを使って参加できたりと、アバターを活用したファッションショーもあります。
バーチャル展示会
企業やブランドが取引先に新作を発表する展示会に、VR技術を取り入れた事例です。
商品のディスプレイや展示ブースを3DCGでリアルに再現。来場者はその仮想空間内で自由に商品を鑑賞できます。
商品に近づいて見ることもできるため、画像だけではわからない素材の質感なども確認できるのが特徴です。
バーチャル店舗
VRや最新3D技術を使ってオンライン上に作られた店舗です。
商品の陳列やディスプレイ、試着やスタイリングなど、自宅にいながらまるで実際の店舗で買い物するのと同じようなショッピング体験ができます。
バーチャルファッションをアパレル業界が導入するメリット
アパレル業界におけるバーチャルファッションの活用には、以下のようなメリットが存在します。
- 新規顧客の獲得につながる
- 新たなビジネスモデルの構築ができる
- ブランディングにつながる
新規顧客の獲得につながる
近年では「欲しいものがすぐに探せる」「店舗に行かずにすむ」「品ぞろえが豊富」などの理由から、ECサイトなどを利用したオンラインショッピングの需要はますます高まりを見せています。
VR技術はオンライン上で商品やサービスの魅力を伝えるのに有効な手段ですから、より多くの顧客獲得が期待できるでしょう。
特にVR技術の活用によって創り上げた仮想店舗なら、実店舗への来店が難しい人でも気軽に訪れることができるため、新規顧客の獲得にもつながると考えられます。
新たなビジネスモデルの構築ができる
バーチャルファッションの導入は、新たな収益源やビジネスモデルの確保にもつながります。
具体的には、VR空間内での広告やスポンサーシップや、デジタルコンテンツへの課金などが挙げられます。
また、NFT技術を活用し、仮想空間で使えるファッションアイテムを販売するといったビジネスモデルの構築も可能です。
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ブランディングにつながる
バーチャルファッションは、自社の価値向上や他社との差別化を目指すブランディングにも利用可能です。
常に最新のトレンドを追い求めるアパレル業にとって、VRのような最先端技術を導入することはブランドの先駆性や創造性のアピールにつながります。
また、VRを活用した新しい体験やサービスの提供は、顧客満足度や顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する信頼や愛着)の向上にもつながるでしょう。
企業のバーチャルファッション導入事例
ここからは、実際にバーチャルファッションを事業の一部に取り入れたアパレルブランドの導入事例をご紹介します。
GIVENCHY
画像引用:GIVENCHY
フランス創業の老舗ブランド「GIVENCHY(ジバンシイ)」は2020年、任天堂のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」内で楽しめるビューティ ルックを提供。
大人気のルースパウダー「プリズム・リーブル」やGIVENCHYを代表するリップスティック「ルージュ・ジバンシイ」などをイメージしたデザインを作成し、ゲーム上のキャラクターへのメイクアップを可能にしました。
また、2022年にはゲームの作成や共有、他のユーザーが共有したゲームのプレイなどができるゲーミングプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」にて、「Givenchy Beauty House(ジバンシイ ビューティー ハウス)」という自社ブランドをイメージしたエリアをオープン。
GIVENCHYの世界観が表現された空間で、アバターを美しく変身させたり、実際の商品からインスパイアされたデジタルアイテムを獲得したりできるなど、遊び心と美しさに溢れたユニークな体験を提供することで、大きな注目を集めています。
BEAMS
画像引用:BEAMS
日本を代表するセレクトショップの一つである「BEAMS(ビームス)」は2023年7月、世界最大規模のVRイベントである「バーチャルマーケット」に6度目のバーチャルショップを出店しました。
これは参加企業のなかでも最多で、実際に5回目の出店となった2021年の時点で、バーチャルリアリティマーケットイベントにおけるブースの最多数としてギネス世界記録™にも認定されています。
イベントではアバター用3D衣装を販売するほか、自分のアバターでファッションショー気分が味わえるランウェイを設置するなど、革新的な試みが反響を呼びました。
また、アバター用3D衣装と同じデザインの商品を実際に購入できるなど、リアルとバーチャルの垣根を超えた新しいファッション体験の提供にも力を入れています。
BALENCIAGA
画像引用:BALENCIAGA
ストリート界のハイブランドとして知られる「BALENCIAGA(バレンシアガ)」は、2021年秋コレクションを「Afterworld: The Age of Tomorrow(アフターワールド:ザ・エージ・オブ・トゥモロー)」というオリジナルのビデオゲーム内で発表。
一部のゲストに専用のヘッドセットを配布し、VRのランウェイで新作を披露しました。
また、2023年には4月22日のアースデイを記念して、農業について学べるARコンテンツ「Balenciaga Regenerative Agricultural Experience」をリリース。
ARとは拡張現実(Augmented Reality)の略で、現実世界の情報にバーチャルな視覚情報を重ねて表示するテクノロジーです。
「Balenciaga Regenerative Agricultural Experience」では、ARで表示される農業用地に作物を植えていくゲームで、プレイを通じて土壌の健全性に関連する農業技術や技法について学べるコンテンツとなっています。
BALENCIAGAは、以前から環境に関連するテクノロジーに投資するなど、自然環境をより良くするために積極的な取り組みを続けており、その活動の一環としてこういった最先端技術が採用されました。
バーチャルファッションに必要なスキルは?
バーチャルファッションを効果的に活用するには、ファッションに関する知識とVR技術などデジタル関連の知識の両方が必要です。
バーチャル空間でもファッションを楽しむことが当たり前となりつつある今の時代では、どちらか片方だけのスキルで活躍することは難しいでしょう。
今後アパレル業界では、その価値を最大限に引き出すためにも、ファッションとデジタル両方の知識に精通し、なおかつ新たな楽しみ方を提案できるような発想力に富んだ人材が求められると考えられます。
まとめ
トレンドを作り出し、流行を追うアパレル業界では、新しいものには常にアンテナを張っておく必要があります。
最先端技術の一つであるVR技術とファッションをかけ合わせたバーチャルファッションも、今注目が高まっている新しい取り組みの一つです。
バーチャルファッションの活用は、新規顧客の獲得や新たなビジネスモデルの構築、ブランディング戦略などに役立ち、実際に導入を進めているブランドも少なくありません。
ただし、バーチャルファッションを効果的に活用するには、ファッションに関する知識とVR技術などデジタル関連の知識の両方が必要です。
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